実は発泡酒は飲まない筆者( .@azusagut )です。
今回は、今更聞けない?ビールと発泡酒の違いについてです。
並べてみました。(意味はないです)
なんとなく、知っている方も、ぜんぜん、知らない方も、その違いについて学んでみませんか?
本記事では、
- そもそも発泡酒って?
- ビールと発泡酒の違い
- 発泡酒誕生の理由と歴史
- 発泡酒のメリット
についてお話しします。ビールでも、発泡酒でも片手にご覧ください。
そもそも発泡酒ってなに?
結論から言うと、ビールと同じ原材料を発酵させたもので、
・麦芽比率50%未満のもの
・麦芽比率50%以上であっても、 ビールに使える原料以外の原料を使用したもの
・麦芽比率50%以上であっても、規定量を超えて副原料を使用したもの
参考:国税庁
が発泡酒という扱いになります。
ビールと違い、麦芽の使用率が低く、副原料が多く使われている点が異なります。
副原料とは、
(1) 麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、デンプン、糖類、
引用:国税庁より
または苦味料もしくは着色料
(2) 果実・果汁や香味料(新定義で2018年4月追加)
次のような物品です。
1.果実(果実を乾燥させ、若しくは煮つめたもの又は濃縮した果汁を含む。)
2.コリアンダー又はその種
3.ビールに香り又は味を付けるために使用する次の物品
・ こしょう、シナモン、クローブ、さんしょうその他の香辛料又はその原料
・ カモミール、セージ、バジル、レモングラスその他のハーブ
・ かんしょ、かぼちゃその他の野菜(野菜を乾燥させ、又は煮つめたものを含む。)
・ そば又はごま
・ 蜂蜜その他の含糖質物、食塩又はみそ
・ 花又は茶、コーヒー、ココア若しくはこれらの調製品
・ かき、こんぶ、わかめ又はかつお節
のことを指します。
ちなみに、ビールの定義は、
・麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの(麦芽の使用割合100%)及び
引用:国税庁より
麦芽、ホップ、水及び麦、米や果実、コリアンダーなどの
香味料等の特定の副原料を使用して発酵させたもので、
麦芽の使用割合が50%以上のものをいいます。
2018年の新定義でビールの定義は広がり、使用できる副原料が増えたこともあり、
過去に発泡酒だったものがビールの表記に変わったものもあります。
字面だとわかりにくいですね…
つまるところ、ビールと何が違う?
発泡酒とビールの違い、それは
麦芽使用率と、副原料の内容及びその使用料
が違う点です。
ビールは必須原料が細かく決まっていますが、発泡酒は
(麦芽使用率50~100%であること)発泡酒は麦芽さえ使っていればなんでもOK
(麦芽使用率50%以下。それ以上でも規定量以上の副原料を使えばOK)
といえます。
ビールに比べて割とざっくり
もう一度、定義のおさらいです。
・麦芽比率50%未満のもの
・麦芽比率50%以上であっても、 ビールに使える原料以外の原料を使用したもの
・麦芽比率50%以上であっても、規定量を超えて副原料を使用したもの
参考:国税庁
副原料を多く使える点が異なる点でもありますね
なんで発泡酒ができたの?
じゃあ、なんで発泡酒が生まれたのでしょうか?
税金がどうのこうの、という話も聞きますが少し異なります。(もちろん税金もかかりがありますが)
実は発泡酒自体は戦前から開発が進み、
戦後の1950年に初の発泡酒が市販されていました。(1年で終売ですが…)
この頃では、原材料の調達が難しいため、ビールの味に近いものを造ろうとしていました。
1960年代にもビールに対抗すべく、発泡酒で参入する企業が現れますが、
いずれも売れ行きは芳しくなく、姿を消していきました。
しばらく発泡酒というジャンルは姿を消しますが、1980~90年にかけて大きな変化が起こります。
それは1989年に酒類販売免許が緩和されたことです。
これにより、大型ディスカウント店でビールを買うことが可能になり、小売店での希望小売価格での購入は減ってしまいました。
大型店舗間の価格競争の発端です。
新たな問題点
安く買えるならいいじゃん!と思いますが、問題が。
当時のビールの価格は225円前後であり、
小売価格のうち、46.5%が税金で占められており、値下げは難しい状況でした。
値下げが難しい中、海外の安価なビールが輸入されはじめ国内のビール会社は対応に追われるのでした。
そんな中、サントリーが麦芽使用率を抑えた「ホップス」を販売。
これが60年代に姿を消した発泡酒が再び表舞台に立った瞬間です。
225円のビールに比べ、180円前後と大きく価格を抑えることに成功したホップスは
「節税ビール」や「麦芽アルコール飲料」と揶揄されつつも人気を博し、今後の発泡酒市場の切り込み隊長となったのです。
何故ここまで価格を抑えられたのかというと、当時の酒税法に理由があります。
当時の酒税法では麦芽の比率が67%(3分の2)以上のものをビール、
それ未満は「雑酒 – 発泡酒」の区分けで、ビールに比べ税率は低かったのが理由ですね。
ホップスに負けじとサッポロも「ドラフティー」を発売したり
98年にはキリンも「淡麗」を発表し市場はより活性化していったのです。
(ちなみにアサヒは「ビールのまがい物なんぞつくらん」と発泡酒ジャンルは未参入)
また酒税の改訂
しかし、1996年に政府は、
「麦芽率50%以上の発泡酒の税率をビールと同じにする」と、酒税の改訂を行います。
明らかな発泡酒対策の改訂でビールメーカーは反発をしましたが、
これに対抗すべく、たとえばサントリーは麦芽使用率を25%未満にした
「スーパーホップス」を1996年を発売。その価格はなんと145円でした。
その後も各メーカーがしのぎを削って多くの商品を開発、
「まがい物はつくらん」と決め込んでいたアサヒも、
2001年にはついに「本生」をひっさげて参入。
現本生ドラフトです。
98年から2002年にかけて発泡酒戦国時代といえる時期でした
が、2003年また大きな出来事が。またまた酒税法の改訂です。
これにより、発泡酒はさらに増税され、全体で10円の値上げとなりました。
このため各メーカーはより安い税率のアルコール飲料の開発に着手、その結果誕生したのが「第三のビール」です。
ここで酒税の早見表を…
種類 | 酒税 | |
ビール | 77円 | |
発泡酒 | 麦芽比率50%以上 | 77円 |
麦芽比率25%以上50%未満 | 62円 | |
麦芽比率25%未満 | 47円 | |
第三のビール | 28円 |
「発泡酒=安い」というイメージがありますが実は誤り。
同じ発泡酒でも上記のように違いがあるんですよ。
第三のビールの登場や、ビール業界のリベート見直しによって発泡酒市場は落ち着きを見せました。
2011年には、アサヒ・サントリー・サッポロの3社は発泡酒事業の縮小を宣言、
ここに発泡酒戦国時代は終わりを迎えたといえるでしょう。
唯一キリンは「淡麗」シリーズの売れ行きが好調で、引き続き発泡酒事業に力を入れているようです。
淡麗はいろいろなシリーズが出ています。「グリーンだよ~」のCMもありましたね。
ご存じだと思いますが、2026年にはまたまたまた酒税法が改訂される予定です。
これにより、ビール、発泡酒、第三のビールの税率が一律化される予定です。
税対策で生まれた第三のビールの立場がどうなるのか、
発泡酒はプリン体ゼロ、糖質ゼロといった特徴があるので生き残る道はあるとは思いますが…
発泡酒のメリットって何?
はじめは価格が最大のメリットでありましたが、
第三のビールの出現によりそれは失われていしまいました。
そうなると、発泡酒のメリットは
プリン体ゼロ、糖質ゼロといった健康志向がウリとなります。
特にキリンの淡麗は種類が多いので、味はもちろん、
糖質やらプリン体が気になる方はいろいろと飲み比べてみてください。
発泡酒とビールの違いまとめ
本記事では「【さくっと解説】発泡酒が生まれた理由とその歴史は?ビールとの違い」について書きました。
さまざまな要因で発泡酒は生まれました。
とはいえそこまで市場はにぎわっていない現状、今後どのような道に進んでいくのかも気になるところです。
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