白薩摩と黒薩摩の違いは?薩摩焼の特徴と歴史について【さくっと解説】

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薩摩といえば焼酎。が、飲めない筆者( .@azusagut )です。

みなさんは「薩摩」と聞いて何を思い浮かべますか?

桜島

お酒好きなら、焼酎。

歴史好きなら、島津家。か、西郷隆盛?

サッカー好きなら、鹿児島ユナイテッドFC。


うつわ好きなら…薩摩焼ですね。

ということで?本記事では「薩摩焼」

  • 歴史
  • 特徴
  • 資料館・美術館
  • 陶器市

について書きました。

ほかのやきものについては↓こちらから。

目次

薩摩焼の歴史

そもそも薩摩(鹿児島県)は桜島で有名なとおり、

火山灰の被害、毎年の台風の被害など、その当時の農業は安定せず、

薩摩藩の米高はそう良いものではありませんでした。

そこで時の薩摩を治めていた島津 義弘(しまづ よしひろ)は、陶磁器生産による資金繰りを考えました。


島津義久。「鬼島津」と恐れられた戦国時代屈指の猛将。

というのも、戦国の世において茶の湯は武人のたしなみであり、

そこで用いられる茶器は非常に値打ちのあるもので、

中には茶器一つで国が買えるほどの値打ちを誇るものもありました。

このあたりに関してはまんが『へうげもの』を読むのがおすすめです!

実は自身も千利休に師事をした義弘。なんとか窯を開けないかと思案する中、ある出来事が起こります。

それは、1592~1598年にわたって行われた「文禄・慶長の役」です。

実は別名焼き物戦争とも言われるこの戦いですが、

義弘はこの際、朝鮮人陶工師の朴平意(ぼくへいい)や金海(きんかい)

といった陶工士を戦争捕虜として80名ほど連れて帰りました。

というのも、当時の朝鮮では優れた焼き物が造られており、

日本でも「高麗茶碗」をはじめとするその技術に魅了されていました。

「高麗」とは「朝鮮渡来」という意味。作成時期も朝鮮時代のものです。

かくして薩摩領内の各地で窯が開かれ、「薩摩焼」が誕生したのです。

完全な余談ですが…、

義弘は彼らを厚遇したようで、それに恩義を感じてか、

関ケ原の戦いにおいては連れてこられた陶工士も武器を取り

義弘のために戦い死んでいった者もいるそうです。

人格者として領民や部下から慕われていた、
義弘らしいエピソードです

薩摩焼の特徴

薩摩焼の特徴といえば、まずはその種類です。

大きく「白薩摩」と「黒薩摩」の2種類に大別されますが、(磁器を含め3種、という考え方もあります)

さらに、

竪野(たての)系
・龍門司(りゅうもんじ)系
・苗代川(なえしろがわ)系
・西餅田系
・平佐系
・種子島系

と呼ばれる6種類もの種類があることです。

薩摩各地でそれぞれの窯が独自の発展を遂げたため、このように種類が多くなり、

各窯ごとで使用する粘土や釉薬などが異なるため、一概に

薩摩焼の特徴はこれだ!と言うことはできません。

しかし残念ながら、現在残っている窯は竪野系、龍門司系、苗代川系の3つとされています。

これら現存の窯がそれぞれ「白薩摩」と「黒薩摩」を造り続けています。

では、次にその「白薩摩」と「黒薩摩」についてみていきましょう。

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白薩摩と黒薩摩

白薩摩は見ての通り白いから白薩摩。「白もん」と呼ばれることもありますよ。

白薩摩

白薩摩はもともと、藩主御用達品として生まれたものです。

そのため、細かい貫入(ひび)、錦手、金襴手の上絵、透き彫りなどが特徴。

とても豪華絢爛な表情を持っています。

白土を主な材料とし、「水簸(すいひ)」を繰り返した土を使います。

陶器にもかかわらず、磁器の様な見た目と美しさです。

水簸…採取した原土(げんど)を水でかき混ぜて余分なものを取り除く作業のこと

そうした土を用いて各種装飾が施された白薩摩は、

諸大名や、徳川幕府などの献上品としても用いられました。

そして1867年のパリ万博では、ヨーロッパの人々に絶大な人気を得て

「SATUMA」の名が世界に広がるまでに至ります。

この際、「横浜薩摩」や「京薩摩」といううつわも誕生しています。

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一方黒薩摩はというと、庶民のためのうつわ。見た目も武骨で黒いのが特徴です。

そのため、「黒もん」とも呼ばれています。

この質実剛健さがなんとも魅力的。

火山灰が多く混じった鉄分含量が多い土などを用いるため、深みのある黒になります。

黒が放つ光沢が美しいですが、海外ではあまり有名ではないの黒薩摩…。

海外における「SATSUMA」はあくまで「白薩摩」。

とはいえ、黒薩摩はその頑丈さと素朴さ故、日常品として多く用いられました。

黒千代香(くろじょか)焼酎王国の薩摩では必需品。

そらきゅう。高台がなく、置くとこぼれるので飲みきるしかない。

「そら!」注がれたら、「きゅっ」飲みきるので「そらきゅう」というそうです

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薩摩焼の今

先にも述べたように、現存するのは竪野系、龍門司系、苗代川系の窯です。

これら窯では今でも伝統を引き継ぎ作成が続けられています。薩摩焼についてもっと知りたい方は、

鹿児島県歴史資料センター黎明館

鹿児島県
鹿児島県歴史・美術センター黎明館 鹿児島県歴史・美術センター黎明館:鹿児島県歴史・美術センター黎明館のホームページです。

や、「薩摩焼の郷」と名高い美山(みやま)を訪れるとよいでしょう。

美山では毎年11月初旬ごろ美山窯元祭りが開催されますので、時期を合わせていかれるのがおすすめです。

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薩摩焼の資料館・美術館

薩摩の歴史を学びながら、うつわも見られる施設を3つ紹介!

長島美術館

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薩摩焼をはじめ、様々な陶磁器が見られます。絵画などのコレクションもありますよ。

尚古集成館

尚古集成館
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鹿児島県歴史資料センター 黎明館

鹿児島県
鹿児島県歴史・美術センター黎明館 鹿児島県歴史・美術センター黎明館:鹿児島県歴史・美術センター黎明館のホームページです。

苗代川系、竪野系、龍門司系に分類された薩摩焼が展示されています。

鹿児島の歴史も合わせて学んでいってはどうでしょうか。

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薩摩焼の陶器市

年に11月と12月の2回、実施されています。

美山窯元祭り

毎年11月上旬ごろ開催。薩摩焼の里である美山で開催されます。

薩摩焼フェスタ

薩摩焼協同組合
薩摩焼協同組合 鹿児島県薩摩焼協同組合公式サイトです。400年以上の伝統を誇る薩摩焼を今なお創り続ける窯元の情報や、イベントを紹介します。

毎年12月上旬に開催。県内の窯元が一堂に揃う大規模な陶器市。

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薩摩焼のまとめ

本記事では「白薩摩と黒薩摩の違いは?薩摩焼の特徴と歴史について【さくっと解説】」について書きました。

島津家の庇護の基に生まれ、世界にも認められた薩摩焼。

ぜひご自身の手に取ってみてください。

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